忍び寄る少子化の影。吹奏楽の楽しさを、どう守っていくか。

「少子化」という言葉を、これほど肌で感じたことはありません。小・中・高校と吹奏楽部に所属していた、わが家の長女が小学校に入学したときは100人ほどいた同級生も、数年後の次男(同じく吹奏楽部だった)のときには70人ほどに。わずかな期間で3割も減った現実に、親として「これからどうなるんだろう」と複雑な思いを抱いてきました。

この波は今、中学校の「吹奏楽部」にも大きな変化を迫っています。

北海道教育大学の渡部謙一准教授によると、吹奏楽の部員数は2017年の約50万人から、2024年には約36万人へと激減した、、との事。部員が1ケタという学校も増えるなか、国は部活を学校から地域へ移す「地域移行」を進めていますが、現場には多くの切実な問題が積み重なっています。

特に心配なのが、吹奏楽ならではの「ハードルの高さ」です。

  • 運搬の問題: 重くて高価な楽器を、中学生が自分たちで安全に運ぶのは容易ではありません。(実際に演奏会場へは地元の運送会社を利用)
  • お金の負担: 学校の備品が使えなくなれば、楽器の購入や維持費が家計に重くのしかかります。経済的な理由で「音楽を諦める子」が出てしまうのはあまりに悲しいことです。部費だけでは楽器修理費用がままならない事も。。
  • 競い方の変化: 「大人数の方が迫力があって有利」とされる今のコンクールのあり方も、少人数化が進む現状とはズレが生じ始めています。25人以下の「小編成」出場の学校も珍しくなくなりました。

これまで学校が守ってくれていた「誰もが平等に音楽を楽しめる環境」が、今、岐路に立たされています。

この問題は、単なる制度の変更ではありません。これからの子たちの世代に、豊かな音楽文化をどう手渡していくのか。私たち大人がこれまでの常識を少し横に置いて、社会全体で支える仕組みを考えていく時期に来ているのだと感じます。

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